「あたし、おかあさんだから」の歌詞にイライラしないように、マーケティング感覚を身につけよう。
「あたし、おかあさんだから」という歌が炎上しているらしい。huluオリジナル番組「だい!だい!だいすけおにいさん!!」の2月1日放送回で発表されたとか。「あたしおかあさんだから だいすきなおかずあげるの」と言ったような歌詞が並び、自己犠牲を美化されていると一部に批判されている。
私は「おかあさん」ではないので、この件について母親視点で語る資格もないのだが、広告制作者視点で考えると、この手の炎上は仕方がないことかと思っている。
昨今すぐに広告でも炎上するのは、日々辛い日常を送って鬱屈している人を刺激してしまうからだと考えている。ギリギリな人が多いのだろう。あらゆる人が苦しんでいる。辛いのもわかる。
とはいえ、全方位に好かれるなんて無理だ。お母さんのあり方も多種多様だ。昔は専業主婦が多く、立場としては似たり寄ったりだったので、ある程度は一括りにできたと思う。サザエさんのような大家族で、専業主婦をしていた人も多いだろう。(婿養子は主流だったのかは言及しない。)
だが、今は「おかあさん」の立場は様々だ。「おかあさん」と言っても、まず働いているか、働いていないかで分かれる。働いていても、会社勤務で正社員の人、契約社員の人、派遣社員の人、パートの人で分かれる。
さらに、夫との状態によっても変わり、夫が単身赴任の人、ワンオペ育児の人、シングルマザーの人など分かれる。そして、どのような環境で暮らしているかでも分かれ、実家暮らしの人、義実家暮らしの人、都心で核家族の人などさらに分かれている。
また、子供が何人いるのか、子供は何歳なのか、家政婦さんがいるのか、家族は家事育児に協力的なのか、お母さんは元気な人なのか、経済的な余裕や時間的余裕、精神的な余裕はどうなのかなど、それぞれ違う。そのため、「おかあさん」と言っても、あまりに多種多様すぎて一括りにできない。
それに、例えば歌詞の「あたしおかあさんだから だいすきなおかずあげるの」という部分だけ見ても、おかずをあげることが我慢で苦痛だと思っているのかどうかは人それぞれだ。おかあさんだから云々ではなく、思考や価値観の違いになってくる。
あくまで私の予測になるが、今回の歌詞に出てくる「おかあさん」は、あまり周囲に協力してもらえず、余裕がないタイプの人なのだろう。おそらく精神的に余裕がないので、視野も狭くなっている。経済的にも時間的にも余裕がない可能性もある。
また、「私がやらねば」と考えがちであり、責任感があって自分で抱え込みがちであり、協力を求めることはいけないとも考えており、自分を責めてしまうタイプの人間にも見える。そして、自分軸をあまり持たず、他人軸で動いて人に尽くす(ことが好き、もしくは尽くすことで自分の価値を見出している)タイプの人だろう。
今回の場合はおそらく、このような条件に当てはまらない=ターゲットではないお母さんを怒らせたり、傷つけてしまったのかもしれない。
もちろん、怒らせたり傷つけたりしても良いとは思わない。だが、この手の傷つけようとしたわけでもなく、むしろある層を応援したいと思ったのに炎上してしまう件は、悲しいかな仕方がないとも思える。(人の本心は誰にもわからないので、本当にどう思っているのかは言及はしない)
何かを発表したり表現する側としたら、いちいち気にしていたら何も世に出せない、発せられない。それに、どんなに優しい言葉をかけたって、怒ったり傷ついたりする人もいる。
とはいえ、受け取る側に「いちいち怒るな、傷つくな」というのはあまりに酷だ。怒りたくって怒っているわけでもなければ、進んで傷つきたいわけでもないだろう。だからこそ、いちいち感情に振り回されるのは辛いはずだ。
解決法とすれば、イラっときたり悲しくなったら「ああ、私のような人以外向けなんだな」と割り切ることだ。マーケティングや広告を学ぶと、さらに割り切りやすくなると思う。これは、どんな人向けのものなのか(ターゲット)、何のために出したのか(目的)、これによってどんな結果を得たいのか(ゴール)などを冷静に分析してみることをオススメする。
マーケティングするかのように分析してみると、「なんだ、私とは無関係な話か」と気づき、スルーできるようになる。また、「はいはい、そうですか」と騒ぐのも馬鹿馬鹿しくなるかもしれない。なんでも受け入れろだとか、心を広くしろだとか、許せだとかはおかしな話だ。だからこそ、受け入れなくて良いから、感情に振り回されずに、受け入れる必要があるものかを分類するのだ。そうすれば、何かの発信や広告、メディア、誰かの発言などに、いちいちイライラしないし、傷つかない。
大事なことなので二度言うが、どんな人向けのものなのか(ターゲット)、何のために出したのか(目的)、これによってどんな結果を得たいのか(ゴール)などを冷静に分析してみることをオススメする。
追伸
「あたし、おかあさんだから」の歌を子ども向け番組で子どもに聞かせるべきか云々に関しては、ここでは言及していない。ただし、本当に「(子どもではなく)おかあさんを応援したい」、「(子どもではなく)おかあさんに届けたい」応援ソングなのだとしたら、より効果的な方法があったのではないかということだけは明記しておく。
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前に記事でも書いた。夫いわく、この著者の思考と私の思考と似ているらしい。
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↑毎日頑張っているママさんにはこちら。「ああ、ズボラになってもいいんだ・・・」と思えてくる。CMなのにかなり良い。(ファンなので贔屓しているのは許していただきたい)
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