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牛乳石鹸のCM炎上問題について、コピーライター的視点で考えてみた。

youtu.be

まずこのCMを見てもらいたい。

牛乳石鹸のCMなのだが、
どのように感じただろうか?

動画は、彼が朝のゴミ出しをするシーンから始まる。

その日は息子の誕生日だ。仕事の合間を縫って妻からメールで頼まれた誕生日ケーキとプレゼントを買いながら彼の気持ちがナレーション形式で語られる。「家族思いの優しいパパ、時代なのかもしれない。でもそれって正しいのか」。

その後、会社の後輩を飲みに連れていってから帰宅した彼に対して、妻は「何で飲んで帰ってくるかな」の一言。彼は気持ちを切り替えるために入浴し牛乳石鹸を使う場面で唯一商品が登場する。お風呂から出た彼は「さっきはごめんね」と妻に謝罪し、家族はめでたく息子の誕生日を祝う。

幼かった頃、自分が見ていた父親と今の自分を比べて内省的な語りが続く動画の最後には「さ、洗い流そ。」の言葉。


下記のサイトにあったあらすじが
わかりやすかったので、
引用させてもらった。

www.huffingtonpost.jp 


私も見たのだが、

「わかる。そういうこともあるよね。」
「働く人も家事育児やる人も大変だよね。」

というのが個人的な感想。

おそらく私がどちらの立場にも
なったことがあるから
このような感想になるのだと思う。

ちなみに、牛乳石鹸側としては、
頑張る父親への応援メッセージとのこと。
まぁ、そうだろうなという印象だ。

しかしどうやら、
父親・夫像云々で
炎上しているらしいのだ。


「父・夫が家庭を顧みない」
という点
でご立腹なのだろう。


そこで怒る人の気持ちも
わからなくもない。

それに男が外で働き、女が家事なんて
前時代的だともいうのだろう。
悲しいことにそういう価値観の人も
多いのが現状だからああなのだ。

とはいえ、お父さん側の人が
家庭も大事にしていて、
早く帰りたいのだが、色々な事情があって
帰れない人であれば気の毒な人だ。
(早く帰ると左遷や減給される等)

誰が悪者か決めつけたのであれば、
そこの会社であり、世間だ。

故に、そこに関して、どちらが悪いなど
個人的には言えないし、このCMに関しても
誰がひどいとかは言えない。

だが、はっきり言ってしまうと、
コピーライター的に
気になるところは、
父親像・夫像云々ではない。



*****

カウブランド石鹸 青箱バスサイズ135g*6個

このCMに対して、
父親像、夫像についての批判ではなく

「意味がわからない」

牛乳石鹸のCMである
 必要を感じられない」


「何のCMなのかわからない」

という指摘もあるのだという。

ここに関しては、
はっきり言いたいことがある。

牛乳石鹸という
大手メーカーだから
ああいうCMで良いんだよ。

意味がわからない?
あのCMで売れる気がしない?

イメージコピーなんだから
それでいいんだよ。

もし、牛乳石鹸のCMが
下記のようなシナリオ
だとしたらどうだろうか?



===============

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===============


もしこのようなCMが流れたら、

牛乳石鹸どうしたんだ・・・」
「経営危ないのかな・・・」

と話題にはなると思う。

こういう流れのCMは
見たことがあるかもしれないが、
大概無名の中小零細会社の
通販化粧品のCMだ。

そして、このようなゴリ押しで
テレビショッピングのような
CMの方向としては、
『セールスコピー』を
多用することが多い。

なお、今回批判されている
牛乳石鹸のCMは、
イメージコピーを多用したものだ。


***


キャッチコピーには
2種類あって、

イメージコピーと
セールスコピーがある。


イメージコピーの代表例は、

JR西日本
「そうだ、京都行こう。」

ルミネの
「試着室で思い出したら、
 本気の恋だと思う。」

などだ。

イメージコピーの特徴は、
何のCMかわからず抽象的だが、
何となくオシャレで好印象だ。

イメージコピーの目的は、
商品のイメージを
良くすること
だから王道のイメージコピーだろう。



セールスコピーの代表例は、

スピードラーニング
「1日5分から聞き流すだけ!
 ある日突然、英語が口から飛び出した」

ライザップの
「たった2ヶ月でこのカラダ」 

である。

セールスコピーの特徴は、
イメージコピーのようなオシャレさはないが
直接的でわかりやすく買いたくなる。

セールスコピーの目的は、
商品を買ってもらうこと
だから、
王道の
セールスコピーだろう。

また、イメージコピー、
セールスコピー、
どちらのコピーを使うのかは
企業の規模によって変わることが多く、

商品のイメージを良くすることを
目的とした『イメージコピー』を
多用する企業には大手が多い。

一方、商品を買ってもらうことを
目的とした『セールスコピー』を
多用する企業は中小零細が多い。

なぜかというと、

大手のJR西日本は、わざわざ
テレビショッピングのような
ゴリ押しのCMをして
「今すぐ買うべきだ」と宣伝しなくても
購入する人は一定数いるからだ。

むしろ商品(切符)そのものよりも、
「旅行っていいな」という
楽しいイメージをさせて、
「京都いいな」「旅行でも行くかな」
と思わせた方が購入につながるだろう。

確かに「京都いいな」「旅行でも行くかな」
と思っても、JR西日本を使わずに
バスや飛行機で行く人もいるだろう。

しかしそれでも良いのだ。
JR西日本としては、
多少見込み客が
他社に逃げても痛くも痒くもない。

いつか使ってくれればいいという
そのくらいの余裕がある。

一方、スピードラーニングがもし、
詩的なキャッチコピーを打ち出し、
英語圏の美しい外国で
楽しそうに英語を話すCMを
流したところで、
「私も海外で英語話したいわ」と
思う人がどのくらいいうだろうか。

確かに、
英語圏の海外に行きたいから
 英語を話せるようになりたい」
と思う人はいるだろうが、

「じゃあ、早く学べて身につく
 スピードラーニングに申し込もう」
と考える人はほぼいないだろう。

そもそもさほど認知されていないから、
(特に売り出し当時は無名)
選択肢にも入れられない。

JR西日本の新幹線の場合は、
京都に行く手段として、
新幹線か飛行機かバスかなど、
選択肢に入れられる。

しかし、無名であれば
選択肢にさえ入れられない。

そもそも、英語圏の美しい外国で
楽しそうに英語を話すCMを
見たところで、英語を話したいと
思わない可能性も高い。

それに、大手企業ではないから、
いつか認知してくれることや
買ってくれることを待つほど
余裕はないだろう。

だからこそ、
「1日5分から聞き流すだけ!
 ある日突然、英語が口から飛び出した」
と言ったような、
直接的なセールスコピーが必要なのだ。

※下記は、セールスコピー・イメージコピーの
 違いについて書いた過去記事。

aiegc.hatenablog.com

 

*****


で、話は牛乳石鹸に戻すが、
牛乳石鹸は有名か無名か?

牛乳石鹸共進社株式会社は
大手か中小零細どちらか?

おそらく大半の人は、
牛乳石鹸に対して、
大手メーカーで
有名な商品だと
答えると思う。


それに、昔からあるメジャー商品で、
今もなお、@cosmeなど
日本最大のコスメ・美容サイト内の
人気ランキングでも上位になるほど
人気の商品である。

そう考えると、
わざわざ直接的なセールスコピーで
宣伝する必要はない。

牛乳石鹸は、JR西日本のように有名だ。

何のCMかわからないほど抽象的で
詩的なCMであっても売れる。

印象を良くするための
イメージコピーで十分なのだ。

もし、牛乳石鹸のCMが、
先ほど私が勝手に作った
テレビショッピングのCMのような
CMだとしたら引くだろう。

むしろ、牛乳石鹸がやったら
胡散臭くなってしまう。

テレビショッピングのような
直接的なセールスコピーは
中小零細企業の無名商品にこそ合うのだ。

@cosmeなどの日本最大のコスメ・
美容サイト内では、成分を比べるような
美容に熱心な人も見るので、
お得感や成分の良さを前面に出した
広告を出しても良いかもしれないが、
テレビを見ている層は違う。

だから、
テレビショッピングの
ような
直接的なCMである
必要もない。


抽象的で何の商品のCMか
すぐにわからなくたってそれでいい。

何となく良い印象を与えられれば
それで良いのだ。

しかも、今回は牛乳石鹸側は、
父親をターゲットにしている。
頑張るお父さんを応援したいのだ。

で、あのCMを批判している人はというと、
大概がお父さん側ではない。
お母さん側の人かフェミニスト
男性嫌悪のミサンドリーの人々だ。

イメージコピーの目的は、
商品のイメージを良くすることだ。

そのため、お母さん側の人は
敵に回してしまったかもしれない。

しかし、もし、お父さん側の人に

「あなたのこと応援しているよ」
「あなたの頑張りもわかるよ」
「あなたも色々葛藤あるよね」

という思いが伝わり、お父さん側の人が

牛乳石鹸の中の人って
 父親の気持ちもわかっているな」
「味方なんだな・・・」

と感じ、
お父さん側が
何となく牛乳石鹸
良い印象を持ってくれれば
OKなのである。


おそらく私の憶測だが、
すでに女性は牛乳石鹸
それなりに良い印象があった。
買うのも女性だ。

だから、男性の購買層も
増やしたかった。

おそらく男性は、
女性ほどには石鹸にこだわりがない。

そのため、
「石鹸買わなきゃな」と思い、
「何でもいいから買おう」と
薬局にとりあえず行った時に、
何となくCMで見た牛乳石鹸を思い出し、
じゃあ「これにするか」と
手に取って欲しいのかとも思う。

また、奥さんなどに
「とりあえず何でも良いから
 石鹸買ってきてよ」
と言われた時に、
よくわからないけど
「とりあえず牛乳石鹸買うか」
と思ってほしいのかもしれない。

最近はお父さんが子供を洗う
ボディーソープのCMもあるが、
やはりお母さん目線のものが多い。

だから、お父さんに興味を
持ってほしかったのだろう。
味方だと印象つけたかったのだろう。

お父さんが外で働き、
お母さんが家のことをするなんて
決めつけはおかしいなどという人も
いると思う。

確かに決めつけはおかしいだろう。
実際、我が家みたいに、
夫の方が仕事より家事が好きかつ得意で、

妻である私が家事より仕事の方が好きな
うちもある。共働きなので助け合いだ。

だが、まだ男性が外で働き、
女性が中で育児家事をする家庭が
多いのも現状なのだ。

CMなどの広告は、
ドラマではなく宣伝だ。

メジャーな層に合わせる。

「私のこと言っているな」と
自分のことに置き換えて
買ってくれそうな方に合わせる。

日本では日本人の人口が多いから
日本人が出演するCMが多いのと同じだ。
だからそうせざるを得ないのだ。

徐々に変わってきてはいるが
わざわざ世間の流れや意図を
汲み取ってCMにする企業は少ない。
なぜならば商品や企業の宣伝広告だからだ。

それに、普段から石鹸にさほど
興味を持っていない人に
訴えかけるのであれば、
まずは話題にしなければならない。

そう考えると、多少炎上したとはいえ
牛乳石鹸を考える人が増えて
よかったとも思われる。

このように考えていくと、
牛乳石鹸のCMは
お母さん層の反感は買ってしまったが、
間違っていなかったとも言える。

大手なのだから抽象的なCMで問題ないし、
お父さんをターゲットにして
イメージを良くしたいと考えるのであれば
あれで良いのだ。

あれでお母さん層の反感を買って不買運動になり、
会社が傾いてしまったら元も子もない。

それに、イメージを良くするための
『イメージコピー』のCMなのに
一部の人が考える
牛乳石鹸のイメージを
悪くしてしまっているので、
そこに関しては失敗かもしれない。

しかしもし、牛乳石鹸
悪いイメージを持った層を切り捨てて、
新たなお父さん層や外の働き手に
ターゲットを定めているのであれば、
あのCM自体は間違ってはいないだろう。

よって、私の意見としては、
批判している層に買ってもらう必要がない、
もしくは元々あの人たちは買わないだろうと
割り切っているのであれば、
あの牛乳石鹸のCMは
あのままで良いと考える。


*****


追伸

大体、広告にケチつける人は
ターゲットではない人が多い。
お客様にならない人は関係ない。

牛乳石鹸はお母さん層も買うので
何とも言えないところだが、

もし、お父さん層に売りたいという
方針なのであれば、あの打ち出し方は
間違っていないし、お母さん層の
批判は無視しても良いだろう。

最近、元々買う気もないくせに
CMやら広告にケチつける人が多すぎる。

炎上商法の広告は確かにどうかと思うが、
気にしすぎて騒ぎ立てる人はどうかと思う。

「嫌なら買わなきゃいいし、
 無視すればいいんだよ。
 それにそもそもあなたのことなんて
 ターゲットにしていないぞ」

と思うことは多々ある。

私はコピーライターなので
どうしても許してやれよと
思ってしまうのかもしれないが、

いちいち重箱の隅をつつく人や
わざわざ騙されにいって
被害者面している人を見ると
そういう珍しい趣味を
お持ちの方なのかなと思っている。

趣味ならば仕方があるまい。
きっと奇祭が好きなのだろう。

とはいえ、企業のコピーを書く以上、
変に炎上させるのもまずい上に、
ターゲットの購入側を騙すコピーを
書くのもまずいと思っているので、
その辺は気をつけて書いていきたいと思う。


*****


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